パニック障害(パニック症)とは

まずお伝えしたいこと。
パニック障害は適切に治療すれば治ります。
当院でも多くの方が回復されていますが、そのためには「まず病気を知ること」が大切です。
パニック障害とは不安障害の分類のひとつで、パニック発作、予期不安、広場恐怖の3つが特徴です。
- パニック発作
突然、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えやしびれといった自律神経症状を伴い、強烈な不安や今から死んでしまうのではないかという恐怖感が起こる。 - 予期不安
また発作が起こるのではないかという不安に襲われる。 - 広場恐怖
発作が起きたらどうしようと不安になり電車やエレベーターを避ける。
誰でも自分の身に危険が及ぶような場面に遭遇するとパニック発作を起こす場合があります。パニック障害の場合は日常の何気ない場面でもパニック発作が出現・頻発します。
パニック発作で亡くなることはありませんが、いったんパニック発作が起きると「死んでしまうのではないか」という恐怖に襲われ救急車を呼ぶこともあります。発作は病院に到着する頃には収まり、検査をしても異常は見つかりません。
また「発作が起きるのではないか」という予期不安や広場恐怖のために、外出や電車を避けるようになったり、仕事など日常生活に支障をきたします。
パニック障害の症状
突然理由もなく強烈な不安や恐怖感を感じ、下記の症状が5~30分ほど起こります。
- めまい、フラフラ、気が遠くなる
- 動悸・心拍数の増加(ドキドキする)
- 手足の震えやしびれ
- 呼吸が早くなり息苦しくなる
- 汗が止まらない、冷や汗が出る
- 悪寒がする。または火照る
- 喉に何か詰まったような窒息感
- 胸の痛み、不快感
- 吐き気、お腹の不快感
- このまま死ぬのではないかという恐怖
パニック障害を起こしやすい場面
すぐには逃げられないような空間にいるとき
運転中や電車、エレベーターなどストレスや疲労がたまっているとき
- 緊張から解放されたとき
- 睡眠不足や風邪
- パニック障害を起こしたことがある場所
パニック障害の原因とメカニズム
パニック障害では自律神経の乱れと脳内の神経伝達物質が大きく影響します。
パニック障害の原因①
パニック発作が起きる際には、必ず自律神経が大きく乱れています。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
- 交感神経
活動時の神経。交感神経が強く働くと、心と体が興奮状態になる - 副交感神経
リラックス時の神経。副交感神経が強く働くと、心と体が休んでいる状態になる。
どちらが良いor悪いではなく、状況に応じてシーソーのようにバランスを取れることが大切ですが、パニック発作が起こる前には交感神経が過緊張状態になっています。

交感神経が過緊張状態になる理由は疲れすぎやストレスです。特に我慢強い方や力が入りやすい方、真面目な方は注意が必要です。
疲れやストレスの代表例として
- 仕事や人間関係
- 家事や育児
- 将来や健康への不安
仕事や育児で過労ぎみであったり、相談できず悩むことで、心と体が緊張状態になり交感神経が過緊張状態となります。その結果としてパニック発作が起きるようになります。
パニック障害の原因②
脳内神経伝達物質(脳内ホルモン)のバランスの乱れも大きく影響します。
パニック障害に関与する脳内神経伝達物質は主に2つあり、
- セロトニン
他の神経伝達物質であるドパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)などの情報をコントロールし、精神を安定させる働きがあります。 - ノルアドレナリン
交感神経の情報伝達に関与する神経伝達物質で、不安や恐怖感を引き起こし、血圧や心拍数を上げる働きをします。
セロトニンが分泌不足になると、ノルアドレナリンが増大し交感神経が暴走することで、不安や恐怖、動悸やめまいを発症しパニック発作を引き起こすようになります。

ストレスや疲れにより交感神経が過緊張になり、セロトニンの分泌不足やノルアドレナリンの過剰分泌が重なることで、さらに交感神経が過緊張しパニック障害が発症するというメカニズムになります。
パニック障害の治療
病院では薬物療法、心理療法がメインとなります。
当院ではパニック障害の原因に合わせて以下の4つ治療法を組み合わせています。
- 自律神経の治療
- 脳内神経伝達物質に対する治療
- ホルモンバランスの調整
- 認知行動療法・暴露療法
では4つの治療法について説明していきます。

薬という武器だけに頼ると薬物依存に繋がるケースも見受けられます。薬も上手に使いながら、上記4つの治療法を組み合わせて向かい合うことで、根本的な改善を目指せます。
①自律神経の治療
自律神経を安定させることで、パニック発作が起きにくくなります。
「健全な肉体に健全な精神は宿る」と言うように、精神面の安定には肉体面の状態が良いことが絶対です。まずは過緊張した身体を緩めることが重要となります。
整体で身体を緩めると聞くとマッサージをイメージしますが、実はこれでは良くなりません。良くなっても、数時間後にはまた過緊張が始まります。
その理由は、筋肉をほぐしても、脳(交感神経)からの命令でまたすぐに筋肉が固くなるからです。
つまり治療すべき対象は筋肉ではなく神経です。
自律神経の緊張を緩めるために、ゆがみを取り除いたり、高周波治療(うつ・パニックモード)をおこなうことで、副交感神経が優位となり、自然と身体の力が抜けるようになります。
その結果として、交感神経の過緊張が緩まり、パニック発作が起きにくくなります。
②脳内神経伝達物質に対する治療
セロトニン不足になると、ノルアドレナリンが増大し交感神経が暴走し、パニック発作を引き起こします。
つまり交感神経の暴走を防ぐにはセロトニンを増やすことが重要になります。
セロトニンを増やすためには
- セロトニンの材料となるたんぱく質や鉄分、ビタミンをしっかり摂ること
- 軽いウォーキングをして日光浴すること
- 感動の涙を流す(映画を見るなど)
- 深呼吸をする
などがありますが、まずは「しっかりとたんぱく質や鉄分、ビタミンを摂ること」が最重要です。
その理由はセロトニンも私たちが食べた栄養で作られるので、必要な栄養素が不足することでパニック発作を引き起こしやすくなるからです。
薬を飲んだり、ウォーキングや日光浴をしても効果を感じられない方は、必要な栄養が不足してセロトニンが作られていない可能性があります。
下の図は「うつ病と栄養との関連」を表したものですが、パニック障害でも同じことが言えます。
そのため、当院では必要な栄養素の知識や摂取する手順をお伝えしています。今までの経験からサプリメントも上手に使ったほうが早く回復しています。
栄養療法は根本改善には必須であり、再発を防ぐ意味でも非常に重要となります。

私自身も数年前にうつ病になり、そのときから栄養療法も継続しています。その甲斐あって体調を崩すことなく元気にやっています。
③ホルモンバランスの調整
ホルモンバランスの崩れも、自律神経の崩れにつながります。
例えば、生理前や産後、更年期などホルモンバランスが崩れやすいときは、自律神経がバランスを崩し、パニック発作も起きやすくなります。
当院では、自律神経を安定させるためにホルモンバランスを整える整体やお灸をおこなっています。
また自力整体やお灸をご自宅でもできるように動画や写真でお送りしています。

治療や薬に依存するのではなく、自分でも治せるようになることが大事です。そのためにセルフケア動画などをLINEでお渡ししています。
④認知行動療法や暴露療法
認知とは、「ものの受け取り方」や「考え方」という意味です。
調子の悪いときにストレスを感じると、必要以上に悲観的な考え方(マイナスの認知)に傾き、落ち込みがち(マイナスの行動)になります。
ストレスという事象は変えづらいですが、受け止め方は少しずつ変えられます。
気持ちが大きく動揺したり、辛くなったときに、頭に浮かんでいた考えに目を向けて、それがどの程度、現実と食い違っているかを検証し、思考のバランスをとっていきます。(認知行動療法)
これを治療のたびにカウンセリングしながら、過去~現在にかけての思考と行動の変化を確認しています。

①~③の治療で身体を整えることと、認知行動療法で思考の整理をすることは、とても相性が良いと考えています。
パニック障害の治療を受けられた方のご感想

私も治療を受けるかどうか迷っていました。これまでの自分とは思えない体調不良で暗く落ち込んでいました。そんな時に見つけたのが貴院です。決め手は実績でした。多くの患者の方が治療を受けて良かったとレビューする声が私に響きました。治療を始めて症状は改善され、暗闇の中にいた自分に光がさして健康な生活を取り戻しつつあります。迷っている方は勇気をだして一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
当院のパニック障害の治療
治療の詳細は下記のリンクをご覧ください。